京都御苑とは
京都御苑の広さは、東西約700m南北約1300mで周囲4kmの大きな公園です。そのため、北側は今出川通り、東側は寺町通、南側は丸太町通り、西側は烏丸(からすま)通りに接しています。なお御苑に入るには東西南北にある9つの御門及び3か所の入り口から入ることができます。
この御門の中で特に有名な蛤御門は、御所正面にあたる門で将軍や大名が参内時に使用されていました。歴史的にも1864年7月19日(旧暦)に起きた長州藩と幕府側の衝突事件は、この御門を中心に起きたため「蛤御門の変」(別名:禁門の変)と呼ばれています。
江戸時代まで、この京都御苑には多くの公家や宮家の邸宅が存在していました。しかし、明治になり天皇が東京へ移ると共にこれらの邸宅も東京へ移動したためその跡地は公園として整備されることとなりました。
現在公園内は環境省と皇宮警察本部が管理しています。特に火災に対する消火用に消防ポンプ車も配置されています。
京都御苑・見どころ7選
①京都御所
京都御所は、794年に奈良から遷都されたおりに建てられた天皇の住居及び公務・儀式を執り行う場所です。当時は現在の位置より西側の中京区西ノ京辺りにあり「大内裏」と呼ばれていました。現在では、「大極殿跡」の碑のみだけが当時の風情を残しています。
その後、御所は火災等の理由で鎌倉時代末期に現在の地に移りました。建物は、紫宸殿、清涼殿、小御所などの建築物や造営時の御池庭、高御座【たかみくら】などを無料で見学することができます。
②京都迎賓館

外国の要人、国賓をお迎えする施設として、平成17年(2005年)2月に京都迎賓館が竣工、4月開館。伝統的な入母屋屋根と数寄屋造りの設計で、技術の粋を尽くし数々の技巧を施した工芸品や日本画を集めた和風建築物です。
2011年にはアメリカ・ブッシュ大統領夫妻、中国・温家宝国務院総理、ドイツ・メルケル首相などのVIPが訪れました。
●入館時間:10:00~17:00
●参観料金:自由参観方式 :一般:1,500円、大学生:1,000円、中高生:500円
ガイドツアー方式:一般:2,000円、大学生:1,500円、中高生:700円
●見学:ガイドツアー方式のみ事前予約が必要。それ以外は不要。
③拾翠亭

平安時代から摂政・関白を輩出した有名な「九条家」の邸宅として建てられた住まいです。場所は京都御苑の南西側に位置し、江戸時代後期に建てられた2階建ての木造建築物と共に周辺には大きな池と大きな橋が配置されています。そして池の周辺には多数のサルスベリ(「百日紅」)があり、夏の最中には濃いピンクの花が咲きほこります。

また建物の1階、または2階から「すだれ越し」に撮る「サルスベリの花」は写真は夏の風情を強く感じさせます。
●参観料:300円(2022年8月現在)
④仙洞御所
仙洞御所は、京都御苑の東南やや南側に位置し江戸時代の1627年に後水尾天皇のために造営された御所です。この庭園は有名な作庭家「小堀遠州」が設計した北庭,南庭があり、特に北庭は小石を並べた池は平安時代を想像させる優雅な佇まいを想像させます。
●見学:事前予約が必要(詳細の予約方法は青字部をクリック)
●参観料:無料
⑤近衛邸跡の枝垂れ桜

京都御苑の北側にある近衛家邸宅跡にある枝垂れ桜は、高さ4m以上の大木が林のごとく咲きほこります。近衛家は摂政・関白を輩出する名門の公家の一つです。その邸宅跡に植えられた桜が柵などで管理されて綺麗な桜林を作り上げています。御苑では3月上~中旬にかけて咲き始めるため一番早い花を見ることができます。
⑥蛤御門
元治元年(1846年)7月に蛤御門を中心に幕府方(会津・桑名・薩摩)と長州藩が武力衝突を起こったため特に有名になりました。その際、この門は最終的に長州藩が御苑内に入ることができなかったため「禁門の変」とも呼ばれています。
この蛤御門には、その当時の戦いに発せられた「鉄砲の弾痕」が残っています。
⑦大文字送り火の鑑賞
毎年8月14日は、東山の大文字山(正式名:如意ヶ嶽)で、午後8時から「大文字送り火」が行われます。「大文字送り火」は、この大文字山の「大文字」を先頭に約5~10分間隔で「妙法」「舟形」「左大文字」「鳥居形」が次々と点灯します。
この先頭に点灯する「大文字」を一番良いポジションで鑑賞できる場所が、京都御苑の東側にある「清和院御門」から「建礼門」の周辺の道沿いです。あまり知られていないこのスポットは、鑑賞には好都合ですので事前に下見をしておくと良いでしょう。
京都御苑・苑内案内

京都御苑・歴史
京都御苑の歴史は明治時代に始まりますが、御苑の中心とした京都御所は平安時代までさかのぼります。平安時代には土御門内裏と呼ばれる天皇の別邸があり、その後も幾度も見舞われた火災などを繰り返しながら、江戸時代まで天皇の政治の場所として役割を果たしました。そして周辺には九条家、近衛家などの多くの公家や宮家の邸宅などが建て並びました。
明治時代になると都が東京に移り、それに伴い公家や宮家も東京へ移ったため、京都御所は周囲の宮家や公家の邸宅も取り壊されて公園として整備されました。その後は昭和天皇の即位式や結婚式など、重要な儀式が執り行われた場所として天皇家の儀式を行う役割を担いました。現在では、京都迎賓館などの施設も建設され、京都の歴史と文化を示す場所となっています。
なお京都御所が、西側の大内裏からこの地に移ったのは1331年です。それまでの京都御所では幾度の火災や戦いにより焼失を重ねましたが、光厳天皇がここで即位したことからここが天皇の御座所となりました。
その後も火災などを受けたびたびも再建されましたが場所は同じ処で、明治2年(1869年)に天皇が東京に移られるまでの約500年の間、天皇が住む場所として使用されました。
京都御苑・拝観時間と料金
京都御苑の拝観時間と料金は以下の通りです。
●入苑時間:規定なし
●入園料:無料
京都御苑・行事
京都御苑の有名な行事としては、以下のようなものがあります。
- 時代祭(じだいまつり):平安神宮の例大祭で京都三大祭りの一つです(10月22日)。794平安遷都を祝って、歴代の天皇や貴族、武士などの装束や行列を再現したもので、京都御苑の建礼門前大通りから出発し、平安神宮まで練り歩きます。
京都御苑へのアクセス
●地下鉄烏丸線:京都駅から丸太町駅まで7分
●地下鉄烏丸線:京都駅から今出川駅まで9分
京都御苑・周辺のお店
■有栖川宮邸前
次は、京都御所の外で烏丸通り沿いに有る有栖川宮邸跡にある
枝垂れ桜が満開です。今回は特別公開で見せて頂けます。

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